お知らせ: 情報セキュリティ研究センターは、2012年4月1日にセキュアシステム研究部門 (2015-03-31 終了) に改組されました。
2015年4月1日現在、一部の研究は情報技術研究部門に継承されています。

情報セキュリティ研究センター (RCIS) について
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研究センター長あいさつ

安全・安心な国民生活の実現をめざして

情報セキュリティ研究センター長 今井 秀樹

安全・安心な国民生活を実現する基盤技術として、情報セキュリティの確保が国家的な重要項目に挙げられています。翻って我が国の現状を見ると、個々の情報セキュリティ技術については大学や企業が世界的な成果を挙げていますが、情報セキュリティ分野全般をカバーし、関連する産業界に対し、大きなインパクトを与える研究成果を生み出すとともに、情報セキュリティに関し信頼できる情報を発信し、情報セキュリティ政策に対する提言・支援を行なうなど、統括的に日本の情報セキュリティ研究をリードし、進むべき方向を示すことのできる研究拠点が欠けていたように思われます。本センターはこのような機能を果たす情報セキュリティ研究のコアとして活動していくことで、安全・安心な国民生活実現へ大きく貢献したいと考えています。

情報セキュリティ研究センター (RCIS) のミッションは、「誰もが安心して利便性を享受できるIT社会の実現」のため、情報セキュリティ分野に関する研究開発を実施することにあります。現状における緊急度や産総研のミッション等を勘案し、特にソフトウエア製品、ハードウエア製品に求められる情報セキュリティ技術、およびそこで用いられる基盤技術の確立を目標としています。さらにこれらの研究活動を通じて、世界的な研究成果を継続的に出すことのできる「日本の情報セキュリティ研究のコア」を形成し、政府が実施する情報セキュリティ関連施策の研究面からの支援を行い、国民にも国際的にも信頼される機関として認知されることを目指しています。

本センターは、情報セキュリティ研究に関し世界のトップレベルにある人材を多く擁していますが、このようなミッションを果たしていくためには、さらに他機関との連携が非常に重要と考えています。連携を有効なものとするためには、人の緊密な繋がりが必須です。また、私の大学教員としての35年の経験から、そのような連携の中からこそ、我が国の情報セキュリティ研究を支えていく人材が輩出していくと確信しています。そのような意味で、本センターは情報セキュリティ研究者の育成機関としての役割も担っていくことになると思います。

本センターは、我が国に上述のような機能を持つ情報セキュリティ研究のコアとなる公的研究所を設立するという私の長年の夢を果たすものとなるはずです。しかし、今後に残された課題も多く、皆様のご支援が何よりの力になると存じています。
何卒宜しくお願いいたします。

情報セキュリティ研究センター長
今井 秀樹
研究センター長略歴:今井 秀樹(いまい ひでき)

昭和41年東京大学・工学部・電子工学科卒業.46年同大学院博士課程修了.工学博士.同年横浜国立大学講師(工学部・電気工学科).47年同助教授.59年同教授(工学部・電子情報工学科).平成4年東京大学教授(生産技術研究所).18年より中央大学教授・東京大学名誉教授.17年産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター長兼務.現在に至る.この間,符号理論とその応用,暗号と情報セキュリティ,スペクトル拡散方式,データ圧縮,移動通信などの研究に従事.

昭和50年度,平成2年度電子情報通信学会著述賞,平成3,14,16,19年度同論文賞,平成3年度同米澤ファウンダーズ・メダル,平成7年度同業績賞,平成14年度同猪瀬賞,平成16年度同功績賞,平成10年IEEEシャノン50周年記念論文賞,平成6年情報通信月間推進協議会情報通信功績賞,平成6,15年電気通信普及財団テレコムシステム技術賞,平成14年総務大臣表彰,経済産業大臣表彰,平成21年内閣官房長官表彰,平成11,14年名誉博士号(韓国順天郷大学,仏国ツーロン大学),平成17年エリクソン・テレコミュニケーション・アワード,平成19年英国コンピュータ学会Wilkes賞,情報セキュリティ文化賞,平成20年JWIS特別功労賞,大川賞などを受賞.

著書「符号理論(昭晃堂)」「情報数学(昭晃堂)」「情報と符号の理論(岩波書店)」「情報理論(昭晃堂)」「符号理論(電子情報通信学会)」「暗号のおはなし改訂版(日本規格協会)」「明るい暗号の話(裳華房)」「情報・符号・暗号の理論(コロナ社)」「Essentials of Error-Control Coding Techniques (Academic Press)」「Wireless Communications Security(Artech House)」など.

電子情報通信学会理事,監事,同「基礎・境界ソサイエティ」会長,IEEE情報理論ソサイエティ会長,国際暗号研究学会(IACR)理事,情報理論とその応用学会会長,国際会議ASIACRYPT,PKC,WPMC運営委員長などを歴任.総務省・経済産業省暗号技術検討会(CRYPTREC)座長,IEEE東京支部長,日本学術会議会員.IEEE Life Fellow,電子情報通信学会フェロー,IACR Fellow.